
ヨーロッパを巡って気に入った古い家具や道具を買い入れ、それを当時に近いやり方で修復して販売するのがポリシーのアンティークショップ、ガスリーズ・ハウスは、古い建物のリノベーションやアンティーク家具を生かしたリフォームなども行なっている。主宰する塩見さんは、SAS100をどう見るのだろう。

【塩見和彦】(しおみ・かずひこ)
1960年東京都生まれ。専修大学商学部卒。11年間勤めた東急ハンズを退社後、95年に「西洋小道具 ガスリーズ・ハウス」を開業。その伝統的な家具修復手法が注目されている。著書に『「ほんもの」のアンティーク家具』(新潮新書)あり。雑誌「住まいの設計」(扶桑社刊)にて「繕う人々」を連載中。また「Bikers Staion」(遊風社刊)においても2月号より「オーセンティックにいこう」(仮)連載開始予定。
80年代にはオーディオ専門店での販売経験も持つ。

ガスリーズ・ハウス
東京都八王子市平岡町16-12
Tel. 042-626-4726
http://www.guthrieshouse.com/
古いオートバイやオーディオにも造形が深い塩見さんは、自宅ではLPしか聴かないのだという。
「最初にCDが出たときに、アナログと比べて味気なさというか、表現力の足りなさのようなものを感じたのです。でも、あるときから、『何もそんなに眉間にしわ寄せて音楽を聴かなくてもいいのではないか』と思うようになりました。その時々で気に入ったものを気楽に聴くという聴き方があってもいいのではないか、と。そう考えてみたときに、SAS100のようにコンパクトで生活のじゃまにならないシステムが欲しくなりますよね」
では、実際にSAS100をどう使いたいと思っただろうか。
「まず最初に思ったことは、シンプルでスタイリッシュなCDプレーヤー&アンプ部分をテーブルの上にさりげなく置いて、スピーカーは棚の上などに載せてしまい、どこからともなく音楽が聞こえて来る、という使い方です。そういう鳴らし方をして違和感のない音だと思いますし、こうして両側にスピーカーを置いても、全く不満なく音楽を楽しめますね」
ガスリーズ・ハウスの室内には、古い西洋の家具や道具があふれているが、こういう空間にもSAS100はマッチするのだろうか。
「SAS100のデザイン自体に変な主張がない分、合わせやすいですよ。アンティークの中にこういうモダンなものを合わせるというのも、センス次第ですよね。木のテーブルとか棚の上に置くのであれば、例えば下にクロスのようなものを敷いてあげるなどひと工夫するとより馴染むような気がします。
今、日本でも西洋でもアンティーク人気が下降気味と言われている様ですが、それは定まったスタイルとか様式ができてしまっていて、そこから抜け出せないからだと思うんです。でも日本人には、西洋のものと日本のもの、古いものと新しいものを組み合わせて使う感性があると、僕は信じています。SAS100も同じように、うまく住空間に溶け込ませることができるのではないでしょうか」
そういう、自由で自分なりのアンティーク観を、塩見さんは持っている。
「そう。僕の場合は古いということが第一目的ではないんです。気に入った物を長く使うということが最も重要で、使える物を捨ててしまうのが嫌なんです。だから、いつまでも使い続けられるように何度でも復元が可能な、当時の手法で修復するわけです。このアラジンのストーブなんて、祖父が買ったものを直しながら50年も使っていますよ」
JBLを長く使い続けている人も多いだろうが、やはりJBLと言えばモニタースピーカーや大型のシステムというイメージは強い。では、SAS100はその伝統からは外れているのだろうか。
「そうは思いません。JBLの創設者であるジェームス・バロー・ランシングは、むしろこういうものが作りたかったのではないでしょうか。彼がアルテックを離れたのは、劇場用ではなく家庭用のスピーカーを作りたいという目的があってのことです。だから、これこそがJBLの創設者が狙った方向性だと感じるのです。家庭において、コンパクトでスタイリッシュなシステムで音楽を楽しむという。
だから、SAS100はディープな趣味の対象ではなく、さりげなくそこにあるもので、あるがままの状態で良質な音楽を得られるということを狙っている。オーディオシステムというより、“音楽のある空間”を作るための道具なのではないでしょうか」
「最初にCDが出たときに、アナログと比べて味気なさというか、表現力の足りなさのようなものを感じたのです。でも、あるときから、『何もそんなに眉間にしわ寄せて音楽を聴かなくてもいいのではないか』と思うようになりました。その時々で気に入ったものを気楽に聴くという聴き方があってもいいのではないか、と。そう考えてみたときに、SAS100のようにコンパクトで生活のじゃまにならないシステムが欲しくなりますよね」
では、実際にSAS100をどう使いたいと思っただろうか。
「まず最初に思ったことは、シンプルでスタイリッシュなCDプレーヤー&アンプ部分をテーブルの上にさりげなく置いて、スピーカーは棚の上などに載せてしまい、どこからともなく音楽が聞こえて来る、という使い方です。そういう鳴らし方をして違和感のない音だと思いますし、こうして両側にスピーカーを置いても、全く不満なく音楽を楽しめますね」
ガスリーズ・ハウスの室内には、古い西洋の家具や道具があふれているが、こういう空間にもSAS100はマッチするのだろうか。
「SAS100のデザイン自体に変な主張がない分、合わせやすいですよ。アンティークの中にこういうモダンなものを合わせるというのも、センス次第ですよね。木のテーブルとか棚の上に置くのであれば、例えば下にクロスのようなものを敷いてあげるなどひと工夫するとより馴染むような気がします。
今、日本でも西洋でもアンティーク人気が下降気味と言われている様ですが、それは定まったスタイルとか様式ができてしまっていて、そこから抜け出せないからだと思うんです。でも日本人には、西洋のものと日本のもの、古いものと新しいものを組み合わせて使う感性があると、僕は信じています。SAS100も同じように、うまく住空間に溶け込ませることができるのではないでしょうか」
そういう、自由で自分なりのアンティーク観を、塩見さんは持っている。
「そう。僕の場合は古いということが第一目的ではないんです。気に入った物を長く使うということが最も重要で、使える物を捨ててしまうのが嫌なんです。だから、いつまでも使い続けられるように何度でも復元が可能な、当時の手法で修復するわけです。このアラジンのストーブなんて、祖父が買ったものを直しながら50年も使っていますよ」
JBLを長く使い続けている人も多いだろうが、やはりJBLと言えばモニタースピーカーや大型のシステムというイメージは強い。では、SAS100はその伝統からは外れているのだろうか。
「そうは思いません。JBLの創設者であるジェームス・バロー・ランシングは、むしろこういうものが作りたかったのではないでしょうか。彼がアルテックを離れたのは、劇場用ではなく家庭用のスピーカーを作りたいという目的があってのことです。だから、これこそがJBLの創設者が狙った方向性だと感じるのです。家庭において、コンパクトでスタイリッシュなシステムで音楽を楽しむという。
だから、SAS100はディープな趣味の対象ではなく、さりげなくそこにあるもので、あるがままの状態で良質な音楽を得られるということを狙っている。オーディオシステムというより、“音楽のある空間”を作るための道具なのではないでしょうか」