ユニコーン、奥田民生の作品を長い間手がけており、さらにはPUFFY、スピッツ、木村カエラ、グレイプバインなど多くのアーチストを手がけているレコーディングエンジニアの宮島哲博さん。新製品発売のニュースでMX100を知り、ついに先日導入したそうだが、聴いてみると予想していた音との違いに驚き、その使い方も変化したのだと言う。いったい、どういう変化の仕方だったのだろうか。


オーディオに興味を持ち、新製品などはいろいろとチェックしているとのことですが。
「確かに好きは好きですが、自分ではあまり凝っているとは思いません。でも、MX100はインターネットのニュースで発売を知り、それから気になっていたんです」
では、実際に導入するに至ったポイントは?
「コンパクトだけれど本格的な作りで、iPod専用機という位置づけでなかったことですね。私の場合iPodは車の中でしか聴かないので、iPodを接続することは基本的に考えていませんでした。
それから、やはりJBLというブランドは注目でした。残念ながらこれまでJBLのスピーカーを使っていたことはないのですが、友人が4311を使っていたり、知り合いのマスタリングエンジニアが4320やK2を使っていて、良いイメージを持っていました」
では、実際に聴いてみた感想はどうだったのだろうか。
「結構シビアに出してくれますね。良い音源は良く聞こえるし、そうでないものはダメだというポイントがよくわかるんです。このサイズの他メーカーのオーディオって、どんな音源でもそこそこの音で鳴らしてしまうじゃないですか。そういうのとは違いますね」
つまり、もともとCDに入っている音を曖昧にせず、ありのままを聴かせてくれるということなのだろう。
「最初、MX100は家に置いて使うつもりだったんです。家では仕事はしませんが、昼間にスタジオで作った音源が気になって小音量で鳴らすことはよくあります。そういうときに、これまでもコンパクトなオーディオシステムを使ってきました。
でも、僕の場合は一般的な試聴環境に合わせてラジカセでチェックすることもありませんし、家で鳴らすのも音のチェックという意味はありません。良い音で作ったCDはどんな装置で聴いても良いと思うんです。自分が良いと思っている曲はラジオで流れてきても、街中で流れていても良いじゃないですか。結局そういうことだと思うんですよ」

というわけで、当初、宮島さんはMX100をモニターとして使用することは想定していなかったようだ。
「でも、最初にお話ししたように、使ってみたら意外とシビアに出してくれるので、スタジオでモニターに使ってもいいかなと思いました。実際にこのスタジオでも、コンソールからラインでMX100に入力して鳴らしているところです。
もちろん本来のモニタースピーカーとキャラクターは違いますが、『MX100では良いけれどモニタースピーカーではダメ』ということはないと思います。MX100で聴いて良い音ならば、モニタースピーカーでも良いはずです。
むしろ、ローエンドの出方などはスモールモニターよりもシビアですよ。どういう音作りをしているかよくわかるし、本当にローエンドまで入っているかどうかもよくわかります。
僕の好みから言えば、もう少しナローでもいいくらい(笑)。でもトーンコントロールとか付いていないじゃないですか。あれは潔くていいですね。全体にアメリカンな雰囲気も良いと思います。FMも鳴らしてみましたが、例えばこれでアメリカ西海岸のFM放送を聴いたら、最高でしょうね」
実際にシングル『疾走』や、7月に発売されるニューアルバムの制作過程では、MX100で鳴らしたこともあったのだとか。
「メンバーとかプロデューサーとかから、レコーディングやミックスの際に『こっち(MX100)で聴かせてよ』というリクエストがありましたし、テーブルで聴きたい場合でも、簡単に移動できるので重宝していました。グレイプバインのメンバーもかなり興味を持っていましたよ。デザインにも音にもね」
当初はちょっとした興味の対象だったMX100だが、今後モニターとして使っていくことを検討するにまで至った。宮島さんが音を聴いて、それほどの能力を持っていることを実感したからこそ、なのだろう。
宮島哲博(みやじま・てつひろ)
レコーディングエンジニア。アーティストが出したいと思っているサウンドをmixingすることをが身上。
福岡県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ「Hit&Run」所属。
http://www.hit-r.com/
レコーディングエンジニア。アーティストが出したいと思っているサウンドをmixingすることをが身上。
福岡県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ「Hit&Run」所属。
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